体重、ボディコンディションスコア、および除脂肪体重を評価することは、犬や猫の全体的な健康を見るうえで、体重のみの評価よりも優れた 指標となります。1
体重を定期的にモニタリングすることは良い習慣ですが、体重は健康なボディコンディションを構成する 1 つの要素にすぎません。犬猫にはさまざまな 品種があり、特に雑種犬では、理想的な体重を正確に特定することは難しい場合があります。 また、脂肪量が増加して除脂肪体重が減少しても、体重は安定した状態を保つ場合があります。
Purina の科学者たちは、犬猫のための 9 ポイント方式のボディコンディションスコア(BCS)システムを開発し、検証を行いました。2,3 BCS システムは体脂肪を評価するもので、犬猫の種類や体の大きさに関係なく、ペットの最適な体重を推定するのに役立ちます。
また、犬猫の体重管理支援を目的としたこの実用的なツールは、第三者による検証、査読を経た研究論文において公表されており、現在では世界小動物獣医師会(World Small Animal Veterinary Association)が推奨し、世界中の獣医師に使用されています。4-7
Purina の 9 ポイント方式の BCS システムでは、理想体型は、(上から見た)胴のくびれ、(横から見た)腹部のたるみ、肋骨が簡単に触れることとして定義されます。
理想的な BCS は、犬では 4~5、猫では 5 として定義されています。
BCS が 8~9 のペットは肥満と判断されます。
ボディコンディションスコアの評価に加えて筋肉量を評価することは、過体重のペットにおいても起こり得る除脂肪体重の減少を評価するために重要です。8
除脂肪体重は、骨格筋、臓器、皮膚など、基本的に脂肪以外のすべての軟組織を含みます。除脂肪体重を維持することは、健康全般にとって重要です。9-11 除脂肪体重はアミノ酸の貯蔵庫として機能し、犬猫はこの貯蔵庫から免疫細胞、赤血球、ホルモンなど、あらゆる細胞の必須成分であるタンパク質を産生します。
また、除脂肪体重は動物の代謝率(カロリーを消費する割合)の 95% を占めており、脂肪に比べて除脂肪体重の割合が高いほど、一般的に基礎エネルギー代謝は増加します。12
世界小動物獣医師会のマッスルコンディションスコアリングシステムは、第三者による検証、査読を経た研究において公表されており、犬および猫の筋肉量の減少を評価するためのツールを提供します。8,13 視覚的評価と触診に基づいて、筋肉量は正常、または軽度、中等度、重度の筋肉損失として評価されます。