従来、研究者たちは一度に 1 つの種または株だけを対象として研究を行ってきました。メタゲノミクスにより、Purina の研究者は高度な DNA 解析技術を採用し、何千もの微生物を同時に対象として、健康に影響を与える複雑な相互作用をより深く理解できるようになりました。
メタゲノミクスによって、微生物が健康に与える影響はゲノムに匹敵する可能性があることが示されています。しかし、微生物叢はゲノムと異なり、餌の変更に伴って変化し続けます。将来は、栄養によって微生物を管理することにより、腸の健康だけでなく、全身の身体的および精神的健康も改善できるようになるでしょう。
Purina の研究者は、DNA 高速解析技術であるパイロシーケンスを微生物の研究にいち早く適用しました。
ある研究では、慢性下痢を発症した猫の糞便から DNA を抽出し、下部腸管微生物叢の微生物集団を特定しました。1
糞便の質の改善と、微生物集団の変化との関係を調査しました。
慢性下痢に罹患しており、糞便スコアが 6 または 7 の猫を対象に、臨床試験を開始しました。食餌療法が進行するにつれ、約 50 % の猫で糞便の質の改善が見られ、糞便チャートでスコアが 3 以下となりました。1,2
試験中、猫の餌の変更に伴って慢性下痢が改善したとともに、3 つの主な微生物集団が大きく変化しました。これらの結果は、腸の健康にとって微生物が重要であることを示唆しています。
1.Ramadan, Z., Xu, H., Laflamme, D., Czarnecki-Maulden, G., Li, Q. J., Labuda, J., & Bourqui, B. (2014).Fecal microbiota of cats with naturally occurring chronic diarrhea assessed using 16S rRNA gene 454-pyrosequencing before and after dietary treatment.Journal of Veterinary Internal Medicine, 28(1), 59–65.
2.Laflamme, D. P., Xu, H., Cupp, C. J., Kerr, W. W., Ramadan, Z., & Long, G. M. (2012).Evaluation of canned therapeutic diets for the management of cats with naturally occurring chronic diarrhea.Journal of Feline Medicine and Surgery, 14, 669–677.