演習シナリオ

舌を出した白黒のグレートデーン

テディの紹介

生後 4 ヵ月、オス、グレートデーンの仔犬

  • テディは今日、仔犬期での最後のワクチン接種を受けるためにクリニックを訪れました。
  • テディの食餌に関して尋ねると、飼い主は、ブリーダーから教えてもらった完全でバランスのとれたフードをテディに与えられていると答えました。そのフードがもうすぐなくなるため、飼い主は「より自然な食餌」をテディに与えたいと思っています。
  • テディの飼い主は、穀物不使用で、しかも生の可能性があるフードを検討しています。飼い主自身がグルテンフリー食を実践しており、「はるかに健康になった」と感じていることもあります。その一方で、飼い主はテディに健康で長生きしてもらいたいとも望んでいます。 
  • さらに飼い主は、テディにカルシウムのサプリメントが必要かどうかも尋ねています。テディの父親は、大型でしかも体重の重い犬です。飼い主は、テディも同じように大きくなり、体重が重くなると思っています。

ペットフードの原材料

穀物:ペットに対する豊富な栄養素供給源

穀物は、単なる「かさ増し」としてのみ使用されている、または食物アレルギーの原因になる可能性があると信じる人がます。しかし実際には、穀物はペットフードの有益な栄養素供給源です。

色の異なる穀物

キーメッセージ


  • 穀物とは、トウモロコシ、小麦、オーツ麦、米、大麦、ライ麦などを含む、穀倉の種をいいます。 
  • 穀物は、ペットフードでは可消化性炭水化物の供給源として主に使用され、体内のすべての細胞の重要なエネルギー源であるグルコースを提供します。穀物は、タンパク質、食物繊維、必須脂肪酸、ビタミン B 群、ミネラル類などの栄養素ももたらします。 
  • すべての穀物にグルテンが含まれているわけではありません。小麦、大麦、ライ麦に含まれるグルテンは、セリアック病に罹患している人で免疫反応を誘発する可能性がありますが、グルテンアレルギーは犬ではきわめてまれで、猫では同定されていません。ペットでは、小麦やトウモロコシなどの穀物よりも、牛、乳製品、鶏に対するアレルギーが起こりやすい傾向にあります。 
会話の手始めの背景画像

「穀物は、ペットフードのかさ増しのためだけに加えられているのではなく、実際には価値のある栄養素供給源になっています。穀物またはグルテンに対するアレルギーは、犬ではきわめてまれであり、猫では報告されていません。」

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ペットフード中の穀物

穀物は貴重な栄養源ですが、ペットオーナーは穀物を「かさ増しの材料」あるいはアレルギー源と考えているかもしれません。

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追加のリソース

Masisi, K.,  Beta, T.,  &  Moghadasian, M. H. (2016).Antioxidant properties of diverse cereal grains: A review on in vitro and in vivo studies.Food Chemistry, 196, 90–97.  doi: 10.1016/j.foodchem.2015.09.021  

Jaworski, N. W.,  Laerke, H. N.,  Knudsen, K. E.,  &  Stein, H. H. (2015).Carbohydrate composition and in vitro digestibility of dry matter and nonstarch polysaccharides in corn, sorghum, and wheat and coproducts from these grains.Journal of Animal Science, 93, 1103–1113.  doi: 10.2527/jas.2014-8147 

Verlinden, A.,  Hesta, M.,  Millet, S.,  &  Janssens, G. P. J. (2006).Food allergy in dogs and cats: A review.Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 46, 259–273.  doi: 10.1080/10408390591001117