舌を出した白黒のグレートデーン

演習シナリオ

テディの紹介

生後 4 ヵ月、オス、グレートデーンの仔犬

  • テディは今日、仔犬期での最後のワクチン接種を受けるためにクリニックを訪れました。
  • テディの食餌に関して尋ねると、飼い主は、ブリーダーから教えてもらった完全でバランスのとれたフードをテディに与えられていると答えました。そのフードがもうすぐなくなるため、飼い主は「より自然な食餌」をテディに与えたいと思っています。
  • テディの飼い主は、穀物不使用で、しかも生の可能性があるフードを検討しています。飼い主自身がグルテンフリー食を実践しており、「はるかに健康になった」と感じていることもあります。その一方で、飼い主はテディに健康で長生きしてもらいたいとも望んでいます。
  • さらに飼い主は、テディにカルシウムのサプリメントが必要かどうかも尋ねています。テディの父親は、大型でしかも体重の重い犬です。飼い主は、テディも同じように大きくなり、体重が重くなると思っています

大型犬や超大型犬の仔犬の食餌

仔犬

大型犬や超大型犬の仔犬の食餌

成長期の仔犬は、成犬に比べて多くのエネルギーを必要とします。生後 4 ヵ月までの仔犬の体重 1 kg あたりエネルギー必要量は、同じ犬種の成犬のおよそ 2 倍です。仔犬が成長するにつれ、エネルギー必要量は減少し始めます。大型犬や超大型犬(犬が理想的なボディコンディションスコアであると仮定した場合に期待される成犬時の体重が 45 kg[100 ポンド]超)では、成犬時の体重に到達するのかなり時間がかかります(最大で生後 24 ヵ月)。そのため、比較的ゆっくりと安定した成長速度になるように食餌を与えることが目的となります。成長速度が速すぎると、発達中の骨や関節にストレスがかかり、骨格形成異常につながることがあります。

カロリー必要量は、犬によって大きなばらつきがあります。正常な成長とやせ型の健康体型を維持するには、ペットへの給餌を個別に行う必要があります。ぽっちゃり体型の体重の重い仔犬は健康な仔犬とは言えません。仔犬の体型(Purina のボディコンディションシステムを使用)と体重は、自宅だけでなく、獣医による定期診察時にも継続的にチェックする必要があります。 

キーメッセージ


  • 仔犬には、骨格が完全に成熟するまで、完全でバランスのとれた 成長期用の食餌を与える必要があります。大型犬や超大型犬が成犬の体重に到達するには、最大 24 ヵ月かかります。維持期用の食餌は仔犬には推奨されませんが、「全ライフステージ対応」とラベル記載された食餌は与えることができます。 
  • 完全でバランスのとれた食餌には、重要なミネラルを含むすべての栄養素が適正な量とバランスで含まれているため、補助食は必要ありません。 
  • カルシウムなどの特定の栄養素の過剰摂取は、骨格の形成異常を招く可能性があるため、成長期の仔犬にとって有害になることがあります。 
  • ウェットフードか、ドライフードかは、飼い主の好みによります。 
    • ドライフードは、ウェットフードに比べてカロリー密度が高く、必要な給餌量が少なくてすみます。そのため、大型犬や超大型犬に食餌を与える際に重要な判断材料となる場合があります。 
    • ドライフードには歯科的な利点があり、研磨作用があるため、歯垢健康除去に役立ちます。
  • 新鮮な水を用意して、仔犬が自由に飲めるようにしましょう。 

  • 大型犬や超大型犬の仔犬の場合は、給餌量の管理が推奨されます。給餌量の管理には、次のような利点があります。 
    • 急速な成長を防ぎ、それに伴う骨格筋疾患のリスクの予防を助ける 
    • 仔犬は食後すぐに排便したくなる傾向があるため、ハウストレーニングに役立つ 
  • 仔犬が 6 ヵ月になるまでは、1 日に最高 4 回に分けて給餌するのが理想です。 
  • 6 ヵ月を過ぎたら、1 日 2 回の給餌で十分です。 

  • ペットフードのパッケージに記載されている給餌量の目安を参照します。 
  • 標準的な 250 ml(8 オンス)のカップを使用するか、キッチン計量器(クッキングスケール)でフードの重さをはかります。 
  • 覚えておくべきこと:1 日あたりのカロリー摂取量 = 1 日に与えるフード + おやつ + 人のおこぼれ + 薬を服用するために使用するフード + トレーニングのためのおやつなどです。 
  • 成長期の仔犬には、気が散るものや争いのない静かな環境で、個別に(それぞれの犬用の給餌器にフードを入れて)給餌する必要があります。 
  • 仔犬が食べ終わるまでおよそ 30 分間待ち、食べ残しがあれば取り除きます。 
カンバセーション・スターター
会話のきっかけ

「[犬の名前]ちゃんのような大型犬や超大型犬の仔犬は、骨が完全に成熟するまで最大で 24 ヵ月かかることがあります。その間は、完全でバランスのとれた仔犬用のフードを与える必要があります。仔犬には、成犬と同様に個体差があるため、体型をチェックし、それに従って給餌量を調節することが重要です。自由に食べさせるのではなく、計量カップやキッチンスケールを使用して給餌量をはかるとよいでしょう。そうすれば、わんちゃんをゆっくりと健康に成長させて、骨格の問題が発生するリスクを軽減できますよ。」

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Purina ボディコンディションシステム

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追加のリソース

Case, L. P., Daristotle, L.,  Hayek, M. G.,  &  Raasch, M. F. (2011). Canine and feline nutrition (3rd ed.). Mosby. doi: 10.1016/B978-0-323-06619-8.10025-8 

Linder, D. E. (2017). Diets for each life stage. Cliniciansbrief.com 

Eisner, E. R. (2003, July 13). Professional and home dental care of the adult dog and cat. In Recent advances in dental health management [Symposium]. Proceedings of the 8th World Veterinary Dental Congress. Kyoto, Japan, 8–15. ​

Lawler, D. F. (2008). Neonatal and pediatric care of the puppy and kitten. Theriogenology, 70, 384–392.