犬用ドライフードの袋と給餌器のアイコン

ペットフードを理解する

市販ペットフードとその成分に関する実践的な情報。

粒状のフードがいっぱい入った給餌器

ペットフードを選択する

フードの形状の違いについて​

市販のペットフードは数や種類が​多岐にわたりますが、基本的には、水分含有率の違いにより 3 種類の形状に分類されます。形状の違い​によって、フードの品質が決まることはありません。通常、どの種類のフードを与えるかは、ペットと飼い主の好みによって決まります。 

  • ドライフードは通常、水分含有率が 20% 未満です。ただし、欧州（14% 未満）、日本（10％程度以下）、および​ブラジル（12% 未満）を除きます。 
    • カリカリとした粒状のドライフード​は給与のしやすさと保存性に優れ、​多くの場合、ウェットフードやセミモイストフードに比べて低コストです（カロリーあたりのコスト）。 
    • ドライフードは、水分含有率が低いために腐敗しづらく、ペットが好きなタイミングで食べられるように常設した給餌ができます。​ 
    • ドライフードの弱点となり得るのは、セミモイストフードやウェットフードに比べて、嗜好性が下がる​ことです。 
  • セミモイストフードは、水分含有率が 20～65% です。ただし、欧州（14～60%）、日本（25％～35％程度）を​除きます。 
    • セミモイストフードは、給与と保存​が容易であり、一般的にドライフードよりも嗜好性が高くなっています。 
    • セミモイストフードには、消化吸収の早い単純糖質が含まれている​場合があります。そのため、糖尿病などの​ 血中グルコース濃度の調整が必要な犬や猫には推奨されません。 
  • ウェットフードは、水分含有率が 65% 以上のものを指します。​ただし、欧州（60% 以上）、日本（75％程度）を​除きます。 
    • ウェットフード​は水分含有率が高いため、食事から水分摂取することができるようになり、​ペットの水分補給には有効です。 
    • 通常、ウェットフードは、ドライフードやセミモイストフードに比べて、タンパク質、リン、ナトリウム、脂質の含有量が高くなる傾向があります​（乾燥質量として比較）。 
    • 一般的に、ウェットフードは、ドライフードやセミモイストフードと比較すると、嗜好性が高く、コストが上がります​（カロリーあたりのコストとして比較）。 

この資料をダウンロードまたは共有

この資料は PDF としてダウンロードできます。また、ソーシャルメディアで共有したり、このページの URL をメールで送信したりすることもできます。

 

補足情報​

Association of American Feed Control Officials. (2020). 2020 Official publication. https://aafco.mocaworks.com/v25/nl/#/home/ 

Case, L.  P., Daristotle, L., Hayek, M., & Raasch, M. F. (2011). Canine and feline nutrition: A resource for companion animal professionals (3rd ed.). Mosby Elsevier. 

Crane, S. W., Cowell, C. S., Stout, N. P., Moser, E. A., Millican, J., Romano, P., Jr., & Crane, S. E. (2010). Commercial pet foods. In M. S. Hand, C. D. Thatcher, R. L. Remillard, P. Roudebush,  & B. J. Novotny (Eds.), Small animal clinical nutrition (5th ed., pp. 157─190). Mark Morris Institute. 

FEDIAF. (2020). Nutritional guidelines for complete and complementary pet food for cats and dogs. http://www.fediaf.org/images/FEDIAF_Nutritional_Guidelines_2020_20200917.pdf 

Zicker, S. C., Nelson, R. W., Kirk, C. A., & Wedekind, K. J. (2010). Endocrine disorders. In M. S. Hand, C. D. Thatcher, R. L. Remillard, P. Roudebush, & B. J. Novotny (Eds.), Small animal clinical nutrition (5th ed., pp. 559─584). Mark Morris Institute.