栄養の影響を受けやすい健康状態の犬・猫のニーズに関する有用な情報。
消化器系疾患
持続的または反復的な断続的嘔吐は、慢性胃腸症の猫に見られる主な臨床症状です。慢性的な嘔吐は、下痢、体重や体調の損失、食欲不振、筋肉の衰え、毛並みの乱れなどを伴うことがあります。これらの症例の多くでは、一般的に胃腸(GI)粘膜の炎症が想定されますが、病理組織学的に確認されません。
猫の慢性胃腸症の一般的な原因としては、感染症(細菌、ウイルス、寄生虫または原虫感染)、食物有害反応、不摂生な食事、新生物、運動障害および胃潰瘍が含まれることがあります。膵臓、肝臓、腎臓、神経疾患、甲状腺機能亢進症、ジロフィラリア感染症などの全身疾患の二次性症状として、他の胃腸症状を伴う、または伴わない慢性嘔吐も起こり得ます。胃腸の病気がなくても毛玉が原因で嘔吐することがあります。
急性胃腸症の猫の栄養管理の目標は、猫の栄養要件を満たし、胃腸粘膜への刺激を最小限に抑え、胃腸からの消化液の過度な分泌を低減し、胃および腸の正常な運動をサポートし、胃の排泄を促すことです。
猫の飼い主の中には、慢性的あるいは断続的な嘔吐を猫の飼育の一部として普通に受け入れている人もいるでしょう。胃腸症―の可能性を発見するためには、毎回の診察時に、猫の体重や体の状態―を把握することに加えて、胃腸の兆候についてオーナーに積極的に尋ねることが重要です。
「嘔吐や下痢は、飼い主にとっても猫にとっても不快でストレスになるため、一刻も速く[猫の名前]が元気になることを望んでいます。猫の胃腸は、症状が治まった後でも回復するのに時間がかかることがあります。回復期に消化の良い食事を与えると、愛猫をできるだけ早く元の状態に戻すせるかもしれません」
Guilford, W. G., Jones, B. R., Markwell, P. J., Arthur, D. G., Collett, M. G., & Harte, J. G. (2001). Food sensitivity in cats with chronic idiopathic gastrointestinal problems. Journal of Veterinary Internal Medicine, 15(1), 7─13. doi: 10.1111/j.1939-1676.2001.tb02291.x
Laflamme, D. P., Xu, H., & Long, G. M. (2011). Effect of diets differing in fat content on chronic diarrhea in cats. Journal of Veterinary Internal Medicine, 25(2), 230─235. doi: 10.1111/j.1939-1676.2010.0665.x
Norsworthy, G. D., Estep, J. S., Kiupel, M., Olson, J. C., & Gassler, L. N. (2013). Diagnosis of chronic small bowel disease in cats: 100 cases (2008─2012). Journal of the American Veterinary Medical Association, 243(10), 1455─1461. doi: 10.2460/javma.243.10.1455
Perea, S. C., Marks, S. L., Daristotle, L., Koochaki, P. E., & Haydock, R. (2017). Evaluation of two dry commercial therapeutic diets for the management of feline chronic gastroenteropathy. Frontiers in Veterinary Science, 4, Article 69. doi: 10.3389/fvets.2017.00069
Saker, K. E. (2010). Gastroenteritis/vomiting ꟷ feline. In Nestlé Purina PetCare handbook of canine and feline clinical nutrition (pp. 60─61). Nestlé Purina PetCare Company.