演習シナリオ

ハーマンの診察:大型犬種でときどき後肢跛行があり、遊びたがらないことがある若齢成犬

ハーマンの診察

生後 15 ヵ月、未去勢のオスのワイマラナー

  • ハーマンは後肢の跛行が見られるために受診しています。飼い主によると、跛行は長時間の散歩の後や取ってこい遊びの後で起こりやすいとのことです。ハーマンは立ち止まって歩きたがらなかったり、遊びをやめてしまったりすることがときどきあります。伏せの姿勢から立ち上がる時や、車への乗り降りの際にこわばっているようにも見えます。
  • ハーマンは、幼犬用と成犬用のドライフードを混合したものに、生のステーキの細切れを少し乗せたものを食べています。飼い主はフードのブランドを覚えていませんが、幼犬用のドッグフードも成犬用のドッグフードも大型犬用という表示はありません。また、飼い主は毎日カルシウムのサプリメントも与えています。
  • ハーマンのボディコンディションスコアは 9 段階の 5~6、体重は 36 kg、筋肉量は正常です。
  • 検査時に、左右どちらも股関節の伸展を嫌がるそぶりを見せました。しかし、興奮しやすい性質であるため、反応の見極めはやや困難です。それ以外には健康状態に問題はないように思われます。

仔犬

大型犬の仔犬:カルシウムの過剰摂取は健康な骨の発達を妨げる

カルシウムは、仔犬のさまざまな機能にとって欠かすことのできない必須ミネラルであるため、適正量のカルシウム摂取はきわめて重要です。カルシウム不足は、くる病や疲労骨折を招く可能性がある一方で、カルシウムの過剰摂取は、骨格形成異常や二次的な栄養素欠乏につながる可能性があります。

A bottle of calcium pills

キーメッセージ


  • 仔犬は成犬とは異なり、消化管から吸収する食物カルシウムの量を十分に制御できません。仔犬はカルシウムを過剰に吸収して保持することが時にあり、骨格形成異常を引き起こす可能性があります。  
  • 大型犬や超大型犬のカルシウム必要量は、小型犬とは異なります。ただし、すべての大きさの仔犬に、1% のカルシウム(乾燥質量)を含む食餌で十分です。 
  • カルシウムの過剰摂取はリンの吸収を低下させるため、ペットの食餌で推奨されるカルシウム対リンの割合はおよそ 1:1 になる必要があります。 
  • 完全でバランスのとれた 成長期用の食餌は、安全域のカルシウム濃度を与えてくれます。このような食餌を与えていれば、カルシウム補助食は不要であり、むしろ有害になる可能性があります。  

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市販ペットフードに関するキーワードの定義

この用語集では、市販のペットフードの説明に使用されるキーワードについて定義し、2 つの重要団体の役割について説明します。

バランスのとれた餌は犬の健康な成長を助ける - Britta Dobenecker

バランスのとれた餌は子犬の骨格の健康な発達を促し、引き締まった体を作ります。日本語の翻訳版のない英語の記事へのリンクです。

論文を見る 11 ~ 15 分

その他のリソース

Larsen, J. (2010). Feeding large-breed puppies. Compendium: Continuing Education for Veterinarians, 32(5), E1–E4.