5 歳、避妊手術済みのメス、室内飼育の長毛種の猫
膵臓障害
糖尿病と診断された猫の管理では、インスリンによる治療の他に、食餌の変更が欠かせません。1 型糖尿病を発症してインスリンに依存し続ける犬とは違い、ほとんどの猫は通常 2 型糖尿病であり、糖尿病の寛解を達成できる場合があります。1,2 糖尿病の寛解とは、これまで糖尿病の症状を制御するために治療を必要としていた猫において、外因性インスリンやその他のグルコース阻害薬を用いることなく、食餌だけで血糖値を管理できる状態を指します。1
猫の糖尿病の有意なリスク因子としては、肥満、室内飼い、運動不足、高齢、オスであることが挙げられます。1,3,4 肥満は、最も重要かつ管理可能なリスク因子と認識されています。理想的な体型の猫に比べ、過体重の猫では糖尿病に罹患するリスクが 4 倍も高くなっています。1,5 また、健康な猫の体重が 1 kg 増えるたびにインスリン感受性が 30% 低下することがわかっています。6
食事管理の目標は、次のとおりです。
「[猫の名前]ちゃんは糖尿病なので、膵臓でインスリンが十分に作られなくなっているか、体の組織がインスリンに反応できなくなっているか、もしくはその両方が起こっています。その結果、血流中にグルコースが蓄積して、体重減少、多尿、多飲、多食を引き起こす可能性があります。[猫の名前]ちゃんにインスリンの投与を始めて、高タンパクで低炭水化物の療法食に切り替えることをおすすめします」