成長期、維持期、繁殖期、高齢期の各ライフステージにおける犬・猫の栄養要件に関する実践的な情報。
成犬
飼い主はよく獣医師に問いかけます。「犬に何を与えればいいのでしょうか?」犬には、人間と同様に複雑な栄養要件があります。犬が長く健康的に過ごすためには何をどのように与えるべきか。これを理解するために犬の栄養要件に関する情報を入手するかもしれませんが、動物栄養学の専門家になる必要はありません。必要なのは、栄養的に完全でバランスのとれた適切なフードです。
犬に何を与えればいいのでしょうか?
犬の健康は、水分、タンパク質、脂肪、炭水化物、ミネラル、ビタミンの 6 つの必須グループから栄養素を適切な量とバランスで摂取することで決まります。「総合栄養食」または「バランスのとれた総合栄養食」と明記されている市販ドッグフードは、犬の成長に必要な水以外の栄養素を犬が摂取できるように綿密に調製されています。
ここでは、その基本事項の概要について説明します。
水
水は、犬の生存に欠かせない最も重要な栄養素です。身体に最も豊富に含まれる物資である水は、生存に必要なほぼすべての身体機能において役割を担っています。
人間と同様に、犬も毎日水分を失うため、この喪失分を補充する必要があります。多くの水を必要とする犬もいれば、それほどではない犬もいます。重要なのは、新鮮で清潔な水をいつでも飲めるように用意しておくことです。
タンパク質
食物タンパク質は、20 個の固有のアミノ酸の大きな組み合わせで構成されています。除脂肪体重(筋肉やその他の身体部位など)の維持を助け、強い免疫系を支持し、健康な皮膚と被毛を促進します。また、タンパク質は身体の中で他にも重要な役割を果たしています。
1 つのタンパク質成分では、犬が理想的な体型を維持するのに必要なすべてのアミノ酸を与えることはできません。しかし、タンパク質の各種成分を綿密に組み合わせて栄養士がドッグフードを調製することで、1 つのタンパク質源のアミノ酸が他のタンパク質源のアミノ酸を補完します。その結果が、犬に必要なアミノ酸のバランスと量を提供するドッグフードです。
脂肪
「脂肪」という用語には、脂肪酸からトリグリセリド、コレステロールに至るまで、広範な脂質が含まれます。豊富なエネルギー源である食物脂肪は、タンパク質や炭水化物に比べてグラムあたり 2 倍の数のカロリー(エネルギー)量を提供し、必須脂肪酸を供給します。脂肪または脂肪酸は、体内でエネルギー源として機能する以外にも、多くの重要な役割を担っています。
市販ドッグフードは、動物性および植物性の脂質を数多く組み合わせることで、犬に必要な必須脂肪酸を提供します。前述の機能以外に、脂肪はフードの嗜好性(おいしさ)を高め、健康な皮膚やつやのある被毛の維持を支えます。
炭水化物
ほとんどの犬にとって、食物中の炭水化物は必須ではありません。しかし、食物炭水化物には、すぐに利用できるエネルギー(カロリー)源になるという重要な役割があります。細胞の多くは、主要燃料としてグルコースを使用します。脳が適切に機能するには、グルコースを絶え間なく供給することが必要です。さらに、炭水化物は、体内で非必須アミノ酸、ビタミン C、その他の多くの化合物の生成に使用されます。
小腸で消化されにくい複合炭水化物である食物繊維は、消化管の健康に寄与します。食物繊維には、次のような役割があります。
ビタミン
ビタミンは、正常な身体活動のために微量を摂取する必要がある有機分子です。一般的に、正常な機能をサポートする量のビタミンを体内で産生することはできないため、食物から摂取する必要があります。
ビタミンにはいくつかの重要な機能があります。
ミネラル
ミネラルは、食物、身体組織、体液内に存在する無機物質です。身体の構成成分に占める割合は 1% 未満に過ぎませんが、ミネラルは、血流での酸素の運搬、筋収縮、神経インパルスの伝達、骨形成などの代謝プロセスに不可欠です。
それでは、犬の成長を助けるには何を与えればいいのでしょうか?定評のあるペットフード会社が提供するドッグフードで、「総合栄養食」(または「バランスのとれた総合栄養食」)と記載されているものを探します。それが、新鮮な水の他に愛犬に必要なすべての栄養素を適正な割合で提供するフードである保証になります。犬が正しく成長するには、たくさんの運動、精神的な刺激、安心して休息や睡眠が取れる場所、獣医のケアも必要です。そして、飼い主であるあなたと過ごす質の高い時間と愛情が不可欠なのは言うまでもありません。